ロードバイク オーバーホール (Cannondale SILK ROAD 600 TRIPLE)


2001年 キャノンデール シルクロード 600 トリプル。
CAAD4ロードフレームとヘッドショックサスペンションの融合によって、ロードバイクとして高性能でありながら驚異的な快適性を備えています。


軽量なカーボンフォークはストレート形状です。
シャープなハンドリング特性と引き換えに、通常は衝撃吸収性が落ちてしまうのが難点ですがこのバイクではサスペンションがしっかり吸収してくれます。


ステム上のロックレバーの操作で走行中でも簡単にロック⇔解除の切り替えが可能です。
コイルスプリング&オイルダンパー、15mmのストロークを持っています。


ストロークは短いですが構造はMTB用のヘッドショックと同じです。
外観では太いヘッドチューブとその下のブーツで判別できます。


52×42×30のトリプル。
繋がりがいいクロスレシオのリヤスプロケットを使いながら全体ではワイドレシオを実現しています。


しばらく使用していなかったこのバイク、快適に乗っていただけるよう点検、クリーニング、消耗部品の交換、サスペンションのオーバーホールなどを行いました。


まずは洗車から。
全体に水をかけた後、中性洗剤でスポンジやブラシを使用して洗車します。


乾燥させた後に交換するパーツや作業の妨げになるパーツを取り外します。


フロントフォークを外します。
まずはトップのボルトを緩め・・・


ボルトを抜くとロックレバーが外せます。
樹脂製のレバーは負担がかかる部分を金属で補強しています。
銀色のナット部分を回すことでロック⇔解除の切り替えを行います。


ステムを外し、続いてシールリングを外します。


フォークを取り外す際は専用工具を使います。


フレームからフォークが外れました。


トップキャップを緩めた後に、隙間から専用工具をセットしてダンパーユニットを取り外します。
ストロークの短いシルクロードでは通常のMTBヘッドショック用工具では合わず、シルクロード専用の取り外し工具が必要になります。


取り外した内部の部品。
左からダンパーユニット、スプリング、プリロードアジャスター。


内部部品を取り外したあとロックリングを外すとインナー・アウターを分割できます。
アウターを持ちあげるとローラーベアリングが現れます。
四角柱のインナーの四面にこのローラーベアリングが入っています。


さらに引き上げアウターを外し、ベアリングとレースを取り外します。


中央のソロバンのようなローラーベアリング、上下は内側・外側のベアリングレースです。


取り外した各パーツを洗い油などでクリーニングします。


アウターの内側もきれいにします。
ゴムや樹脂を使用している部分にパーツクリーナーを使う場合はワコーズBC9で作業します。
ホームセンターなどで入手できる安価なパーツクリーナーは塗装やゴム、樹脂などにダメージを与える場合があります。


同時にチェーンやギヤもクリーニングしました。


ここからヘッドショックサスペンションの組み立て作業に入ります。


フォークコラムにグリスを塗ってベアリングレースをセットします。
フォークブーツや下側ロックリングはこの時点で入れておきます。


ベアリングをセットします。
ノギスで取り付け位置を確認しています。
位置が正しくないとロックリングが付けられなかったりストロークが短くなります。
このあとアウターをかぶせてロックします。


スプリングにはグリスを多目に塗ります。
絶えず内壁とスプリング側面は接触して摩擦しているので、グリスが切れると動きが悪くなったり音鳴りの原因になります。


スプリング挿入。
その後左手のダンパーユニットを装着します。


ヘッドベアリング装着部にグリスを塗ります。


位置を合わせて装着します。
専用工具を使用して圧入します。


フレームとフォークが合体しました。
しっかり固定できるスタンドに移して他の部品を取り付けていきます。


クリーニングしたチェーンやギヤを装着。


ブレーキ・シフトのワイヤー類を全交換しました。装着されていたサブレバーは外し、フィジークのイエローバーテープが巻かれました。フロントディレーラーも交換しています。


フロントビュー。


リヤビュー。
ミシュラン クリリオンカーボン ブラック/イエローライン 700×23C。
トレッドのセンター部をカーボンで補強し、耐久性と優れたパンク性能を持つタイヤです。


サスペンションのオーバーホールにより、スムーズな動きがよみがえりました。

最近の記事

  • 関連記事
  • Pickup Bike
  • Pickup Parts

アーカイブ

月を選択
PAGE TOP