2006年12月の記事

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2006年12月27日(水) 13:05

CORIMA AERO WHEEL



コリマ エアロホイール フロント用
(チューブラー)
税込¥65,100

クイック無し実測重量615g
世界レベルのプロレースやビッグレースで使用される純レース用のオールラウンドホイールです。
TTにも、スプリンターにも、クライマーにも使用され、時にはスポンサードの枠を超えて他のホイールメーカーのサポート選手にも(こっそりコリマのロゴから他メーカーのロゴに張り替えられて)使用されます。
フランスで、レースとカーボンを知り尽くしたベテラン職人の手作業で組み立てられます。





コリマ エアロホイール リヤ用
(チューブラー)
税込¥75,600
クイック無し実測重量820g

もともと航空機、中でもヘリコプターのローター等の製作を得意とするメーカーで、カーボンに関する膨大なノウハウがこれらのホイールにも受け継がれています。
軽くエアロダイナミクスに優れるのはもちろん、その構造&形状から特に縦方向に余計な変形をしにくくなっていてホイールの転がりの良さは特筆に価します。





ニップルはリムの中に隠れています。
スポークはリムぎりぎりまで扁平加工され空気抵抗の減少に気を使っているのが分かります。





コリマがパテントを持つ、独自の製法によりカーボンの編目はちょっと変わった表情をしています。
金属部分を一切持たないフルカーボンリムです。





フロントハブ アップ
特殊な引っ掛け式のハブを使用してラジアル組みされています。
高精度シールドベアリングの採用で軽い回転を得ています。
高い強度を持つことで有名な”SAPIM”製の空気抵抗軽減のために扁平加工されたスポークは、フルカーボンリムとは思えないほどの高いテンションで組まれています。





リヤハブアップ
左側ハブフランジはフロントと同様の作り。
負担がかかる右側はフランジが大径化され、スポークの固定方法も独特です。
このホイール専用の特殊な形状の扁平スポークを使用しています。
左ラジアル&右タンジェントは最近の流行とは逆行していますが、これがこの組み合わせでのコリマの回答です。





付属品一式。
クイックシャフトやカーボンリム専用のブレーキシュー、専用工具、リムの高さがあるためにバルブの延長アダプター(中継ぎタイプ)などが付属しています。





中継ぎタイプのバルブ延長アダプターは分割式のフレンチバルブに使用できます。
被せるタイプのアダプターよりもこちらの方が入れやすく、確実です。





専用のニップルレンチです。
先端の穴は四角形で、専用ニップルにフィットします。
振れ取り調整はチューブラータイヤを剥がして行います。





厚手の生地でつくられたしっかりしたホイールカバーが付属します。
コリマのイメージカラーの黄色が鮮やかです。





ビットリア コルサ エボKX 
税込¥7,350
幅/21mm 重量/299g

チューブラータイヤの名門、ビットリア製のハイグリップタイヤで特に雨天時のグリップ性能が優れています。






完成したホイールを車体にセットしました。
BIKEは、TNIのカーボンバックフレームとTNIの最強のフロントフォークの組み合わせで組み上げたトライアスリートT・MさんのBikeです。




フロントビュー。




リヤビュー。





カーボンリム専用のブレーキシュー。
コルクタイプで発熱を抑えるようになっています。
このホイールには必ずこのシューを使う必要があります。

written by リンテン ★  Category→[パーツ]

2006年12月27日(水) 13:00

CORIMA AERO WHEEL  & Vittoria CORSA EVO KX



コリマ エアロホイール
(チューブラー)

・フロント用 税込¥65,100
クイック無し実測重量615g

・リヤ用 税込¥75,600
クイック無し実測重量820g

高さがあるエアロリムの為通常のバルブはリムの中に隠れてしまって空気が入れられません。
付属のアダプターを使用したロングバルブ化の作業を紹介します。





ビットリア コルサ エボKX 
税込¥7,350
幅/21mm 重量/299g

チューブラータイヤの名門、ビットリア製のハイグリップタイヤで特に雨天時のグリップ性能が優れています。





ビットリアではチューブラータイヤのほとんどのモデルに分割式フレンチバルブを採用しています。
バルブの破損などの場合には簡単にバルブだけを交換できます。
今回の作業はこのバルブを分割して、間にアダプターをセットすることでロングバルブ化します。





バルブ部分の取り外しにはビットリアの専用工具を使用します。
アメリカンバルブのムシ回しのような形状です。





バルブに工具をセットして緩めます。





バルブが外れました。





バルブが取付けられていたネジにアダプターをセットします。
パッキンが付いていてかなりの高圧にも対応します。





アダプターに先ほど取外しておいたバルブをセットします。





再び専用工具の出番です。





延長アダプターにはスパナをかける部分があります。
しっかり固定します。





作業完了です。
被せるタイプでは操作しにくい、洩れやすいなどの問題が起こりがちですがこのタイプなら通常のバルブと同じように扱え確実です。





使わないリムにセットして規定空気圧まで上げてしばらく放置します。
バルブの加工部分からエア漏れしていないか?ピンホールパンクなどがないか?確認してから装着します。
また長期間折りたたまれていたタイヤの癖を取るためでもあります。





タイヤにもよりますが1日から2日くらい放置してエアの減り具合を確認します。




専用のニップルレンチです。
ニップルはリムの中に隠れていてリム内周側からは見ることができません。
振れ取りや増し締めなどのメンテナンスはリム外周側からしかできないので、タイヤを剥がして行います。
奥深くの特殊なニップルを回すのでこんな形状になっています。





振れ取り台にセットします。
スポークテンションのバラつきや振れの状態を確認します。





専用ニップルレンチで調整します。
エアロスポークなので、別の工具でスポークが捩れないように抑えながらの作業です。





振れ取り台のゲージは金属製なのでカーボンリムに直接は当てられません。
接触してもリムが傷まないように樹脂製のものを代用します。





タイヤを貼り付けます。
装着面を脱脂してゴム系の接着剤を塗って乾燥させます。
これが下地になります。





薄く均一に塗り伸ばしたいので、ビニール袋を巻いた指で伸ばします。
作業が終わったらビニール袋は捨てます。
作業しやすく手も汚れません。





乾燥後にリムセメントを塗ります。
用途によって何回か重ね塗りする場合もあります。
下地とは違って乾いてしまう前に貼り付けます。





タイヤをセットしたら空気を入れて取付け状態を確認します。
リムセメントが乾くと修正できないので、必要な場合はここで修正します。
最後はホイールを回転させてチェックします。




完成!です。





カーボンリム専用のブレーキシュー。
コルクタイプで発熱を抑えるようになっています。
このホイールには必ずこのシューを使う必要があります。

written by リンテン ★  Category→[カスタム&メンテナンス]

2006年12月22日(金) 13:29

Fi’zi:k RONDINE&Pak&Blink



フィジーク 
ロンディネ&サドルパック
税込¥8,925

幅広コンフォート系サドルで大人気のロンディネにサドルパックが標準装備されました。
ロンディネはロードバイクに乗り始めのビギナーライダーにもお勧めな、お尻が痛くなりにくいサドルです。





ICSシステム(インテグレーテッド・クリップ・システム)搭載により、サドルにすっきりワンタッチで脱着できます。
防水性の生地と防水ジッパーで雨の侵入を防ぎます。リフレクトテープ付き。





フィジーク ブリンク
税込¥1,680

ICS用のLEDテールライト。
サドル後部のロゴバッジを取外しそこにワンタッチで取付けらる専用テールライトです。





LEDを押して、オン(点灯)→点滅→オフ(消灯)の切り替えができます。





横から。





ロンディネ = ロングディスタンスアリオネ
ウィングフレックス機構や、ロングデザインなどアリオネの特徴を受け継いだコンフォートサドル。
ロングライド、ツーリングなどに最適です。





斜めから。
ウィングフレックス機構(サイドに切り込みが入っている)により十分な幅を持ちながら、ペダリングを犠牲にしていません。





真横から。
快適性重視で、パッドは厚目に入っています。





裏から。
ウィングフレックス機構が良くわかります。





サドル後部のネームプレートを外すと専用サドルバッグと別売のブリンク ライトが取付けられます。





ネームプレートを外しサドルパックを装着。





ネームプレートを外しブリンクライトを装着。





必要に応じて簡単に付け替えができます。

written by リンテン ★  Category→[パーツ]

2006年12月18日(月) 17:57

Planet bike ロード用フェンダー



プラネットバイク 
ロード用フェンダー(前後セット)
カラー/ブラック
税込¥4,042

バンド取付けタイプの700Cロード用ハーフサイズフェンダーです。
一般的なロードバイクのフレーム&フォークに簡単に取付けできます。





本体はポリカーボネイト製で折れたり、割れにくい素材です。
ステーや小物類は、サビに強いステンレス製です。





ステーとフェンダーの接合は、だるまネジを使用しています。
取付け位置の細かい調整が可能で、しつかり固定できます。





フレームへの取付け部分のアップ。
フレームに当たる部分は、ゴム製のパッド付きでフレームやフォークをキズ付けません。





装着例。
06’キャノンデール R800 コンパクトに装着しました。
ロードレーサーに、見た目もスッキリそして違和感なく装着できます。





フロントフェンダーのアップ。

取付けはリヤと同様に、付属のゴムバンドまたはタイラップバンドで固定します。





だるまネジ使用で、取付け位置の細かい調整が可能です。





リヤフェンダーのアップ。

取付ける際、タイヤ外周のラインとフェンダー内周のラインのクリアランスを一定に保つように装着すると美しく見えます。
(注)ベンドシートステー等、形状によっては上手く装着できない場合があります。





リヤフェンダー後から。

フェンダーの横幅は、一般的なロードタイヤよりも少し広い30mm幅です。
泥はねを逃がさず、外観もスッキリしています。

written by リンテン ★  Category→[パーツ]

2006年12月13日(水) 16:16

07’Cannondale CAAD 9



キャノンデール CAAD 9
カラー/CLR(クリア)
サイズ/52
税込¥218,000

CAAD=キャノンデール・アドバンスド・アルミニウム・デザイン。
キャノンデールの魂と言える考え方であり、世界最高のアルミニウムフレームを製造するキャノンデールの最も重要で最も基本とする技術です。
新登場のCAAD9は最先端のアルミニウムバイクです。

当店ではキャノンデールロードバイクの全てに、BBタップ加工・BBフェイスカット・インナーワイヤーがスチールの場合ステンレスに交換し先端のハンダ付け処理を施しています。





カラー/クリア(CLR)はアルミの地肌をぴかぴかに磨き上げた上にクリア塗装を施しています。
溶接部分の丁寧な仕上げがよく分かります。
またクールな素材感も魅力です。





リヤビュー。





トップチューブのヘッドチューブとの結合部は大径化されています。
直径が大きくなった分チューブを薄くして、重量を増やさず大幅に対ねじれ剛性をアップしました。
ヘッドチューブは分厚いアルミ管から削り出しで作られます。
後ろ側のトップ&ダウンチューブとの接合部は肉厚を厚く、前側は上下端の負担の大きい部分を厚く残し、その他の部分は薄く削りこまれています。





コラムまでカーボンの超軽量“スライスプレミアム”フォークの採用で軽く、振動吸収性能も非常にいいです。





ホイールはシマノWH−R561。
CAAD9との相性がいい、軽量で高剛性なホイールです。
扁平加工された空気抵抗の少ないスポークを採用しています。
美しいラジアルのスポークパターンも魅力です。





キャノンデールオリジナルのC3ハンドルバーとC4ステム。
アナトミック形状のバーは様々なシチュエーションで扱いやすいように設計されています。





全体のコンポーネントの中でもブレーキはグレードを落とされがちですがしっかり105を使用しています。
実用的、良心的なアッセンブルです。
インナーワイヤー先端はハンダ付けしました。





クランクセットはシマノの105ダブル53×39Tと105コンパクト50×34Tから選択することができます。
写真はコンパクト仕様です。
使い方に合わせてチョイスしてください。





リヤディレイラーはアルテグラ。
耐久性が高く高性能なレーシングメカです。
シフトのアウターワイヤーは最適な長さになるようにカットしています。
インナーワイヤーの先端はハンダ付けで仕上げました。

フレームのリヤディレイラーハンガーは交換式で万一に備えています。





シマノWH−R561リヤホイール。
スポークパターンが左右で違いギヤ側がラジアル、反ギヤ側がタンジェントになっています。
最近の高性能ホイールではこのパターンが主流になってきています。
ニップルをハブ側に配して外周部分を軽くしようとしているのが伺えます。





CAAD9−3 シートステー&リヤホイール
キャノンデールの剛性としなやかさの両立の秘密はこのシートステーによるところが大きいです。
硬くて非常に薄いチューブを、後から見ると砂時計のように複雑に曲げ加工され、しかも横方向から潰して翼断面加工された手の込んだつくりです。





翼断面加工されたシートステーは後から見ると幅も非常に薄いのがわかります。
個人的にもっとも美しさを感じる部分です。





キャノンデールオリジナルC2シートポストはアルミにカーボンをまいて強化するタイプのものです。
サドルはサンマルコ製“PONZA”。
シートレールにはポジション調整に便利なメジャーが付いています。





カーボンシートポストやサスペンションシートポストの場合シートピンの位置をフレームの割りの反対側にしています。

written by リンテン ★  Category→[ロード]

2006年12月13日(水) 16:00

07’Cannondale SYNAPSE SPORT 4



キャノンデール 
シナプス スポーツ 4
カラー/RED(レッド)
サイズ/P
税込¥158,000
ロードバイクをより快適に・・・
ロングライドでの快適性を重視して設計されたツーリングにも最適なロードバイクです。
トウクリップ・ストラップタイプのペダル付属です。

当店ではキャノンデールロードバイクの全てに、BBタップ加工・BBフェイスカット・インナーワイヤーがスチールの場合ステンレスに交換し先端のハンダ付け処理を施しています。





人気のシナプスシリーズ。
1・2と3・4ではフレーム&フォークの仕様が違います。
スポーティーなスケルトンの1・2に対して3・4ではより直進安定性を高めた設計になっています。
3・4はブレーキキャリパーにラージサイズを採用し、25Cのタイヤを装着することで乗り心地がよくハンドリングも穏やかで快適性がアップしています。





フォークオフセットは1・2が45ミリに対して3・4は50ミリになっています。
これによりハンドリングのクイックさは若干スポイルされるものの直進安定性(特に低速走行時にも)が大きく向上しています。
リヤも長めで全体のホイールベースも長くなっています。





CINELLI製VAIハンドルバー。
メーカーでは純レース用と区別してアマチュア用としています。
アナトミックデザインと短いリーチ、大きめのドロップで幅広い走り方に対応します。
5000番系(マグネシウム系)の素材を使用し耐蝕性に優れ強度も高く、そのわりに軽量です。
サブレバーのおかげで上を持ったリラックスポジションのままブレーキングでき安全です。





アジャスタブルステムの採用でバーの高さ・前後位置を幅広く調整できます。
写真は角度を一番上向きにした状態です。
高く近いポジションが実現しドロップバーに抵抗がある方にも安心です。





SAVE。シナプスの為の専用デザインです。
前後から潰された形状のフロントフォークが、地面からの不快な振動を吸収しライダーへのストレスを軽減します。





チェーンステーにもSAVEデザインを採用。
チェーンステー中心部の“SAVE”の文字のあたりで上下から潰された形になっています。
横方向には剛性が高く、上下方向にはフレキシブルに仕上がっています。





横から見ると弓状にカーブしたシートステーを後から見るとしっかりアワーグラス型になっています。
SAVEチェーンステーとの組み合わせにより極上の乗り心地を得ています。
ラージサイズのブレーキキャリパーの採用によってタイヤとのクリアランスが大きくなっています。
このため更に太いタイヤの装着やフルフェンダーの取り付けも可能です。





フロントフォークのエンド部分にはフルフェンダー用のダボが用意されています。





シートステーの上部にはリヤキャリア用のダボを備えています。
ロングツーリングに欠かせないリヤキャリアを簡単、スッキリ、確実に固定できます。





リヤエンドにもキャリア&フェンダー用ダボ。





サスペンション機能を備えたシートポスト。
地面からの衝撃を緩和してくれます。





サンマルコISCHEA。
広い座面とGELパッドで長時間ライドでの快適性を考えたサドルです。









written by リンテン ★  Category→[ロード]

2006年12月13日(水) 15:49

パールイズミ ウインドブレーク ライト ロードシューズカバー



パーイズミ
ウインドブレーク ライト ロードシューズカバー
サイズ/S〜XL
税込¥5,040

冬場のライド・レースに最適なライトタイプ。
柔らかく、動きやすさを損なわないストレッチ性の高い「シンテックス 5000」を採用しています。
高い防風性と寒さの厳しい冬場でもムレ感の少ない暖かさを実現し、冬の走りをサポートします。





靴底のクリート部分は穴あきで、ビンディングペダルに対応しています。
後部ファスナーによる開閉式。

written by リンテン ★  Category→[ウエア]

2006年12月8日(金) 14:26

BBタップ・フェイスカット・ワイヤーハンダ付け・組立



キャノンデール07モデル。
待望のCAAD9フレームです。
佐々木輪店の組立て(BBタップ・フェイスカット・ワイヤーハンダ付け)作業の一部をご紹介したいと思います。
写真はダンボールから本体を取り出して梱包材を取外した状態です。





“完成車”とよく呼ばれていますが、実際にはバラバラの状態で各バイクショップに届けられ、それをそれぞれのお店で手間をかけ時間をかけ愛情をかけて“完成車”に組み上げています。





シートポスト挿入部です。
断面の角のバリを削って滑らかな状態に修正しています。
大量生産の工業製品ゆえ細部の状態はバラつきがあったり手直しを入れたい場合もあります。
バリをとることでシートポストの上下に伴うキズを防ぐことができます。
またカーボン製シートポストの場合は強度低下の原因になる為キズは大敵なので不可欠な作業です。





フロントフォーク周辺もちょっとした下準備を行います。
フォークを外すために、まずはステムを外します。





ステムが外れてカーボン製のフォークコラムが見えます。
この後スペーサーを取り外します。





カバーを上にずらすとベアリングが見えます。





センターのスペーサーを取外すとフォークとフレーム本体が分割できます。





フロントフォーク側のベアリングとの接触部分にグリスを塗ります。





フレーム側も同様です。安定した接触の為、またサビを防ぐためにも重要です。





カートリッジベアリングのインナーレースとアウターレースの間には水やゴミを防ぐシールリングが装備されています。
さらにその隙間を埋めるようにグリスを塗ります。





フォークを差し込んでセットします。





センターのスペーサーのテーパー部分にもグリスを塗ります。
噛みこみやサビによる固着を防ぎます。





フォークの下準備が終わったら作業台に固定してBB周辺の作業に取り掛かります。
ここでのメインはBBタップ&フェイスカット作業なのですがクランクやBBセットが付いている為、これを外すことから始まります。
まずは左クランクを外します。
専用工具でキャップを外し、ストッパーを外し、アクスルを固定している2本のボルトを緩めます。





左クランクが外れました。
右クランクと一体のBBアクスルをこの部分で固定しているので、この状態でアクスルを左側から押し込むと反対側に右クランクが押し出されてきます。





押し出された右クランク&アクスル。
さらに引っ張ると完全に外れます。





専用工具でフレームに取り付けられているBBセットを外します。
一般的なフレームは右側が逆ネジになっています。





BBセットを取外してグリス等を拭き取った状態。
ここからが本番です。
やっと修正作業に取り掛かることができます。





修正作業の第一段階。
BBシェル内側のネジにタップをかけて正確な寸法にします。
溶接時の熱による歪みのため真円ではなくなっていたり、色々な理由でネジ山が変形していることがあります。
また塗料が付着している場合もあります。
全て正確な組み付けの妨げになるため、修整します。
またこの後の作業のための「ガイド」を正確にセットするためにも不可欠です。





最初は手で注意深くセットします。
写真はセットされた状態ですが、この前にBBシェル断面の外周、内周をかるく削っています。





タップが正しい位置にセットされたのを確認したらハンドルを取り付けます。
切削油を使って少しずつ回していきます。





作業は左右交互に少しずつ行います。
特殊なガイド付きタップなので左右のタップのセンターを一致させた状態で修整できます。





タップに切子(削りクズ)が付いています。
BBシェル断面は溶接の影響などでオーバーに言えば楕円のような状態になっている場合がほとんどです。
この切子は主に、周長がそのままなのに楕円になったために内側に出っ張ってしまっていた部分が削り取られたものです。





タップをかけてネジを修整したら次はフェイスカットです。
BBシェルの側面をセンターに対して垂直な平面に、かつ左右の側面が平行になるように修整します。
写真はフェイスカット工具のガイドです。左右からのガイドが中で連結するようになっていて正確な修整を可能にしています。
このガイドが正しい位置にセットされるためにもBBタップ作業は非常に重要です。





ガイドをセットする為の専用工具です。
作業しやすい形状、寸法に工夫されています。





ガイドがBBシェル内にセットされました。
ここにフェイスカッターをセットします。





BBシェルを挟んでカッターの反対側にはスペーサー、スプリング、アジャスター等を取り付けます。
手で押し付けて削ったのでは均一な圧力がかかりません。
スプリングの圧力で刃をBB側面に押し付けています。
ハンドルを持った手は左右に同じ力がかかるように、また状態を見ながらなるべく一定のスピードになるように調整しながら回します。





切削の途中で、ゆるめて状態を確認します。
切子は本来の寸法よりも余計に出っ張っていた部分が削り取られたものです。





修整が完了しました。
予定通りの位置にベアリングが左右並行にストレスなくセットされるようになります。
当たり前のことの様にも思えますが、実は最初の状態で満足できるものはなかなかありません。





BBセットを取り付けます。
ネジ部分とBBシェルの側面には必ずグリスを塗ります。
しっかり締まり、緩める必要があるときはすんなり外れます。





クランクを取り付ける前に5ピンが締まっているか確認しています。
意外と緩いことが多い部分です。





アクスルとクランク内側側面にグリスを塗ります。
さび付きや異音を防止します。





左クランク内側のBBに接触する部分も同様です。





左クランクを仮止めしたら専用工具でフィキシングボルトを固定します。
その後固定ボルトをしっかり締め付けて固定します。
ストッパーをかけて完了です。





組み立ての最後の工程です。
インナーワイヤーの先端は適切な長さにカットしてハンダ付けして仕上げています。
ハンダやフラックスが車体に付かないようにウエス等で覆っています。





標準ではインナーキャップを使用しますが、トライアスロンやレース用バイクには、ワイヤーの先端にハンダ付け処理を施します。
こうすることにより、急な整備(特にレース会場で)などでインナーワイヤーを外す必要ができた時に、先端がバラけて元に戻せなくなるということがなくなります。





完成!!
キャノンデール CAAD 9
カラー/CLR(クリア)
サイズ/52
税込¥218,000
 
当店ではキャノンデールロードバイクの全てに、BBタップ加工・BBフェイスカット・インナーワイヤーがスチールの場合ステンレスに交換し先端のハンダ付け処理を施しています。

written by リンテン ★  Category→[カスタム&メンテナンス]

2006年12月2日(土) 17:47

DMR トレールスター



トライアル大好きS・M君の遊び&通学用バイク(だった) 05’モデル GT アバランチェ3.0 ディスク です。
ダニエル(前輪を浮かしてピョンピョンと後輪だけで移動するテクニック)の練習中にシートステーが“バギッ”と折れてしまいました・・・。





「・・・・・」

飛び跳ねた後の着地の時にリヤブレーキをロックさせます。その為にこの部分に大きな負担がかかり折れてしまいました。
(トライアル以外の通常の使用では考えられない折れ方です。)
そこで、パーツをそのままにフレームを交換することにしました。





DMR(ディーエムアール) トレールスター
サイズ/16インチ
カラー/スレートグレー
税込¥52,500

イングランドの正統派ジャンプ系ブランド、DMR。
4130熱処理クロモリを使用した、軽量でしなやかなジャンプ・フレームです。





24インチ・26インチホイールに対応したフレームです。
4XやBMXコースなどで行われるショートトラック・レースで高い人気を誇っています。





スレートグレイはつや消しの濃いグレイです。
ロゴのデザインも凝っています。





インターナショナルスタンダードサイズのチェーンデバイスマウントが標準で付いています。
BB裏のDMRのマークを見せるためにはそれなりに飛ぶ必要があります。





Vブレーキの台座は26インチ用と24インチ用、どちらにも使える可変式です。
またディスク台座も付いていますが、その際いらなくなったV台座を取外すことができます。
外したときにスッキリ見えるように考えられています。





ディレイラーハンガーはもちろん交換可能です。
破損の際にも安心。






シートポストクランプ(別売り¥1,575)。
軽量な1ボルトタイプと強力に固定できる2ボルトタイプがあります。





ヘッドパーツは専用の工具を使用して圧入します。
今までのヘッドパーツはタイプが違って合わなかったので、新しいヘッドパーツを取り付けました。





ヘッドパーツ圧入作業中。
専用工具で上下のパーツを平行にセットします。





完成!
最低限のパーツ交換で組みあがりました。
フレームのバランスが良くジャンプやトライアル的な乗り方にも使いやすいです。





純ジャンプ用とも言える同DMRのサイドキック等と比較して、少しだけ大きめで全体にゆとりのある寸法でツーリングにも使いやすそうです。

written by リンテン ★  Category→[カスタム&メンテナンス]

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【新潟の自転車のプロショップ・佐々木輪店 】

MySketch 2.7.4 written by 夕雨